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2009/07/14

ジェノヴァ編vol.3【最悪のタイミングでの再会】

この日クラブハウスの前には少々毛色の違う一団がいた。出待ちをしているようではなさそうだ。だって誰も選手にファンサを求めない。険しい顔で何やら熱心に話し合っていて、ちょっと、いや、かなり異様な空気を醸していた。

なんだか恐そうな人たち

パッツィーニが帰って、ファンも一斉に帰って、クラブハウスの前が閑散とした頃、練習グランドのゲートが開かれ、この強面軍団15名弱が中に通された。緊張の面持ちでスタッフが再びゲートを閉める。
ああ、この人たちはサンプのウルトラスだなと瞬時に悟った。前節ジェノヴァ・ダービーに敗れたチームへの不満をぶつけに来たに違いない。これからマッツァーリ監督はコテンパンにとっちめられる事だろう。
マズイな・・・。非常にマズイな、この状況。
明日のレッジーナ戦、サンプは何が何でも勝ちに来るだろう。週の中日にコッパイタリア決勝を控えているからって、手を抜くことはあり得ない。そんなことをしたら、あの強面軍団が許さないはずだ。ついさっきまで「合理主義者のマッツァーリ監督のことだから、コッパイタリア決勝を優先して明日は古巣のレッジーナに勝ち点をプレゼントしてくれるかも?」なんて甘いことを考えていた私は青ざめた。
翌日この予想は悲しいくらい的中することとなる・・・。

誰もいないクラブハウスの前で植え込みの囲みに腰を下ろしてマッツァーリ監督が出てくるのを待っていたら、50代と思われる陽気なオバチャンが私の隣に座ってきた。オバチャンは私の象さんバッグがたいそう気に入ったようで「ベッラ、ベッラ!」と褒めてくれた。今更だけど、このバッグでカターニア遠征したら受けが良かったかも。これから森本君の激励に行かれる方、このバッグいかが?私は楽天で購入。

象はイタリア語でエレファンテ

旅の指差し会話帳を手に片言のイタリア語で必死にコミュニケーションを取っていたところ、再び練習グランドのゲートが開いた。やっとウルトラスとの話し合いが終わったのかな?と期待したが、出てきたのは一台の車。運転席を見ると、、、

おー、カッサーノだ!今頃出てきたー!

オバチャンが「アントーニオォォォ!!!」と両手を挙げて叫ぶ前をカッサーノはすんごいスピードで走り抜けていった。サンプ練習場を訪れたお仲間たちから「カッサーノはゲートの向こうに車を止めていて、絶対にファンの前で停まらないで猛スピードで帰っちゃうから」と聞かされていたが本当にその通りだった。
でも笑顔だった。ハンドルを握るカッサーノは溢れんばかりの笑顔だった。公私共に順調で幸せそうだね、カッサーノ。

ウルトラスが中に通されてから1時間以上経った。陽気なオバチャンとのおしゃべりもネタが尽き、陽もだいぶ傾いてきた。会話も気温もどんどん寒くなる。
そこにクラブハウスから見覚えのある二枚目が出てきた。向こうも私に気が付くとニヤッと笑う。「お、来たなー」って感じ。この人には前に何度も会っている。誰だっけ・・・。
あー、思い出した!マッツァーリ監督の右腕のトレーニングコーチだ。監督はレッジーナ時代のGKコーチやトレーニングコーチを引き連れてサンプにやってきたのだった。サンタガタでは目が会うと気さくに挨拶してくれる人で、私と板貫さんは「すてきコーチと呼んでいたっけ。(遠い目)
彼は毎年レッジョにやってきたミステルに夢中なジャポネーゼをちゃんと覚えていた。車に乗って私の前を通過する際は再び笑顔を向けてくれた。意外な人が自分を覚えていてくれて凄く嬉しい。

ようやくウルトラスの面々が半分だけ開けられたゲートから出てきた。そのうちの1人、レスラーみたいな巨体のオヤジの元へオバチャンが駆け寄る。旦那なのか?オバチャンと旦那以外はとっとと車に乗って練習場を後にした。
約5分後、ゲートが全開になって、マッツァーリ監督のベンツが出てきた。監督もゲートの向こう側に車を止めているのね。このままだとカッサーノみたいに走り去られてしまう。慌てて立ち上がって監督に向かって右手を振ったら一応私の前で停まってくれたが、腕時計に目をやって「急いでいるんだ」というポーズをとる。長いことウルトラスにとっ捕まっていたから次の予定が押しているっぽい。
「フォート?(写真?)」と車の窓から私を見上げる監督の顔に笑顔はない。笑顔がないどころか憔悴しきっている。ボロ雑巾みたいにヨレヨレだ。
頷く私に今度は「シェンデ?(降りなきゃダメ?)」と再び聞いてきた。急いでいるのは明らかだったので車に乗ったまま撮るべきだったのは分かっている。分かっているけど、ちょっと私も意地になっちゃって「イエス、プリーズ」と言ってしまった。だって、シエナでアモルーゾに会えなかった不運をジェノヴァで監督と再会することで挽回するんだって、すんごい意気込んでここに来たんだもん。1年半振りに監督に会うのをムチャクチャ楽しみにしていたんだもん。肩を抱いてもらって2ショットくらい撮りたいじゃない。
監督はため息と共に車から降りると私の隣に立った。オバチャンが2ショットを撮影してくれたけど、撮り終わると同時にクルリと背を向けて車に乗り込む監督。グラッチェと言う私を振り返りもせず「プレーゴ」という言葉だけ残してさっさと車を発進させて行ってしまった。
オバチャンからデジカメを受け取って液晶モニターを見ると、監督の目は完全に死んでいる。魂が半分くらい抜けかかっている感じ。

ヨレヨレのマッツァーリ監督

アモルーゾに会えなかったとき以上に落ち込んでトボトボと練習場を後にする。
監督、私の事なんて覚えていないみたいだったな・・・。
覚えているけど再会を喜ぶ心の余裕がなかっただけなのかな・・・。
なんで私こんな時に来ちゃったんだろう・・・。
半ベソをかきながら急な坂を下っているときに左手に墓地が見えた。ああ、そうだ。Mattiaさんに墓に手を合わせたら何かいいことがあるかもしれないって言われたんだっけ。
「明日レッジーナに勝ち点をください。お願いします」
墓に向かって手を合わせ、ついでに妙なお願いまでしてみた。全然効果がなかったことは翌日判明する。

ボリヤスコの駅で列車が来るまで45分以上待った。寒くて悲しくて声を上げて泣きそうだったけど、ホテルに戻ればレッジーナの選手たちと会えることを思い出し、一気に気分が上昇してきた。
8時半過ぎにホテルに到着。ワクワクしながら回転扉をくぐって中に入ったけど、ロビーは閑散としている。ロビーの脇にあるバールにも人はいない。選手はおろかスタッフもいないよ?

もしかして、また空振り?

1月にシエナが泊まっていたホテルなのにレッジーナが泊まっていないなんて・・・。ここよりも高級なホテルにレッジーナが泊まっているとは到底思えない。ということは、

レッジーナはシエナよりも貧乏ってこと?


おーい、いったい何処の安宿に泊まっているんだよー、レッジーナの皆さーん!
すっかり食欲を失い、その晩は夕食も食べずに不貞寝してしまった。

南イタリア遠征記2009 | Comments(4) | Trackback(0)
Comment
ウルトラス
けっこう年齢いっているんですね。昔から・・・って感じ?
そういう方たちがいるのですね。どこのチームでもいるのかな?クラブも大変そうです。
おばあちゃんとの会話が楽しそうです。

袋もけっこうオシャレで・・・高いいいいいい
若いのから髪が白いのまで
年齢は様々でした。若造が勢いに任せてギャーギャー騒ぐより、年季の入った連中にダメだしされるほうが辛いでしょうね。
あーあ、ダービーにさえ勝っていれば、マツ監督は気兼ねなくレッジーナ戦を捨てることが出来たはずなのに・・・(涙)

袋は少々高いですけど重宝してます。
>監督の目は完全に死んでいる。魂が半分くらい抜けかかっている感じ。

マツマツはこの頃は、本当にハイプレッシャーの中で仕事してたんですね。
サンプドリアってやっぱりタダのプロヴィンチャじゃないから(<つーかプロヴィンチャって呼んでいいのか)、ファン連中の圧力は凄そうです。

あ、うちのブログにHARUKAさんがリーメイさん宛にコメントしてましたよ。
サンプはプロヴィンチャ仲間なんだろうか?
レッジーナでは3年間残留争いのプレッシャー、その後のサンプでもファンのプレッシャーがきつかったので、今季やっと無職になって骨休め出来ますね。ゆっくり充電して欲しいと思います。

今回の遠征では、アモルーゾの件といいマツマツの件といい、自分がタイミングの悪い女であることを証明してしまいました(泣)

そちらへは明日レスしに行きまする。

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