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2007/10/27

七日目⑦:木曜日の出待ちの風景その4

アモルーゾは最後に出てきたわけではない。確かナルディーニよりも先に出てきたと記憶しているが、とにかくこの人は一人頭のファンサに掛ける時間が長い。ファンの気が済むまでとことん付き合ってくれるので、いつまで経っても順番が回ってこない(因みに出待ちファンの数はビアンキに次いで多い)。まあ、それだけ自分も時間を掛けてファンサしてもらえるってことなんだけど。
そこら辺にいる普通のお兄ちゃん的な選手が多いレッジーナにおいて、アモルーゾは数少ない(唯一の?)スター選手のオーラらしきものを持った人だ。彼が登場すると、その場がちょっと華やいだ雰囲気になる。でも、ビッグクラブのスター選手たちの中に入ったら、きっと地味に埋もれてしまうのだろうけど。(笑)
いつも笑顔を絶やさない人だが、穏やかに微笑んでいた去年と違って今年は弾けるような笑顔を浮かべている。あの笑顔を見れば、どれだけ充実したシーズンを送っているのか一目でわかってしまうというものだ。

私たちはちょっと時間が掛かりそうなリクエストをするので、最後にアモルーゾを捉まえようと門の前の混雑から離れた場所で待っていた。だけど少々離れすぎていたようで、ファンサ終了と思ったアモルーゾが携帯を取り出して電話を始めてしまった。ありゃ、どうしよう。
しかし板貫さんが臆することなく「あの、私たち、貴方にリクエストがあるんですけど!」と話しかけてくれた。アモルーゾは直ちに携帯を持った左手を真下に下げて笑顔を向けてくれたけど、携帯電話からは「ニコーラ!ニコーラ?!」と叫んでいる男性の声が聞こえてくる。ね、ねえ、アモルーゾ、相手の人、放っておいて大丈夫?先に要件済ませちゃってもいいんだよ?(汗)
私の心配をよそに当のアモルーゾは優しい笑顔を浮かべて、こちらの出方を待っている。携帯から漏れてくる怒鳴り声が気になるけど、話を切り出さないと・・・。

日本から持ってきたCALCIO2002(2007年6月号)を差し出し、「これは日本のサッカー雑誌ですけど、今月のベスト・プレーヤーに貴方が選ばれています」と英語で告げた。どうせ英語は通じないだろうけど、とりあえず自分で話しかけたかったのだ。で、イタリア語の通訳をお願いしようと板貫さんの方を向いたら、思いがけずアモルーゾの口から英語が出てきた。
“Yeah, I understand.”
うわっ、アモルーゾが英語しゃべった!しかも発音きれい!
アモルーゾは私の手から雑誌を取ると、とても興味深そうに『今月のベスト&ワースト』のコーナーを眺め始めた。何故かアモルーゾの隣には先程まで板貫さんをしつこく誘っていた身なりのいいチビがいて、「彼は少し英語が出来るんだ」とか言っている。あんた、アモルーゾの何なの?
つーか、アモルーゾ、英語話せるならもっと早く教えてよ!英語話すって知っていたら、去年どうしてあんな鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔して私のことを見つめていたのか、その場で確かめることが出来たのにー!←去年英語で話しかけなかった自分がいけない

アモルーゾは自分の写真を指して「いい写真だね」と自画自賛。この人、結構面白い人かも。CALCIO2002は所々イタリア語が書かれているので、アモルーゾはまずはタイトルのイタリア語を拾っているようだった。その後は自分よりも下位の選手が誰なのか、写真と点数を順番に熱心に目で追っていく。そのページを隅々まで眺めた後に隣のページを見たら、第34節の試合結果の欄にも自分の写真が使われていたので、「ここにも僕がいる~♪」という感じでニッコリ。すごく嬉しそう。わーい、持ってきた甲斐があったなあ。アモルーゾが欲しがったらそのままプレゼントしようと思っていたのだけど、欲しいとは言わず、「サンキュー」と微笑みながら私に雑誌を返してきた。この人の控えめな性格を考えると欲しくても欲しいとは言えなかったかも。「欲しいですか?」と聞いてあげればよかったかなあ。
「あの、このページを広げて貴方が雑誌を掲げているところを写真に撮らせて欲しいのですけど」と再び英語で言うと、胸の前で雑誌を広げて「こう?」とニッコリ。
私の英語を完璧に聞き取れている。英語は少しじゃなくて、かなり出来るんじゃないの?

どっちの写真もいい男に写っていることに変わりはない

この写真を撮った後に板貫さんが「影になっちゃったから明るいところでもう一枚撮らせてもらったら?」と言いだした。私としては多少暗くても大満足だったんだけど、アモルーゾは「OK!」と笑顔で日向の明るいところまでスタスタ歩いて行ってもう一度ポーズを取ってくれた。なんていい人なんだろう。

天然記念物級のいい人です

妙なリクエストに全然嫌な顔をしないで付き合ってくれたアモルーゾに「これ、お嬢さんに」とポケモンのビニール袋を差し出すと、返ってきた言葉は「サンキュー」でも「グラッチェ」でもなかった。くしゃくしゃの笑顔で「モルト・ジェンティーレ!」と何度何度も繰り返すアモルーゾ。
「モルト・ジェンティーレ」って何?英語の“It’s really kind of you.”に相当する言葉かしら?てか、嬉しさのあまりイタリア語しか出てこなかったのね。(笑)
日本に帰ってから辞書で調べたら、Molto gentile.は「本当にありがとう」という訳語が載っていた。アモルーゾのおかげで新しい言葉を覚えたぞ。

お嬢さんへのプレゼントがよほど嬉しかったようで、アモルーゾは自分から握手を求めてきた。しかし、手を握られた瞬間にビックリして声を上げそうになる私。

うわ~、この人はなんて冷たい手をしているんだろう。

アスリートのくせに血の巡りが悪くて冷え性なんだろうか。死ぬほど暑いレッジョの昼下がり、アモルーゾのヒヤッとしたサラサラの手が気持ちよくて、思わずオデコに当てたくなった。もちろんやらなかったけど、やったとしてもアモルーゾなら笑って許してくれたと思う。(笑)

板貫さんとも握手をしたアモルーゾは、身なりのいいチビと並んで駐車場に向かって歩き始めた。そして数分後、シルバーのBMW X5に乗ったアモルーゾは、車の窓から私たちに満面の笑顔で手を振ると、そのまま練習場を後にした。助手席からは、あの身なりのいいチビも笑顔を向けてくれた・・・。
「あのチビ、友達を誘うから4人でどこかに行こうって言っていましたよね?」
「もしかして、友達ってアモルーゾのことだったんでしょうか?」
「奴の誘いに乗っていたら、アモルーゾと一緒にお食事できた?!」
「うっそー!」
あのチビはアモルーゾの何だったんだろう。友達?それとも代理人?
まあアモルーゾと一緒に食事できたかどうかは置いといて(まずファンと出かけることはないでしょ、彼は)、もし奴が代理人だったのなら来季の去就を聞き出せたかもしれないのに。うーん、残念な機会を失ってしまった。アモルーゾの知り合いなら最初からそう言え、チビ!

南イタリア遠征記2007 | Comments(4) | Trackback(0)
Comment
チビの誘い…残念!惜しいことしちゃいましたね(笑)。
それと待ってました、リーメイさんのアモルーゾ!
手が冷たい人は心があったかそうです。
それとなく人となりが分かっちゃいますよね、短い間でも実際会うと。
試合見たらそれで終わりではないんだよなーなんて思いつつ、
いつかそんなチャンスがあれば私も逃さないようにしなきゃと思います。
たぶん足りないのはその情熱かなー?なんて思うこと然りです。
やっぱり好きな選手に一度は会ってみたいですわー…至近距離で。
来年もまた素敵なエピソードがあるといいですね。
shashabooさん、コメントどうもです~♪
アモルーゾは夏にあれだけ冷たい手をしているということは、冬は絶対に家族に嫌われていそうです。
「冷たいから触らないで!」とか言われて(爆)
でも心が温かいのは間違いありません。
この日のアモルーゾは完璧なジェントルマンでした。
翌日と翌々日はそれぞれ違う顔を見せてくれまして、なんというか、奥が深いというか、飽きない人です。
翌日以降のエピソードもお楽しみに~。

>やっぱり好きな選手に一度は会ってみたいですわー…至近距離で。

今度はぜひ話が出来る距離で会って来てくださいな、メクセスと。
てか、私もメクセスにはぜひ会いたい!(笑)

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秘密のコメント様
すぐに気づいちゃいました!(爆)
"molto gentile"と"sei molto gentile"は意味合いが違うのでしょうか。私もわからなーい!(汗)

お互い好きな選手から新しい言葉を教えてもらえると、イタリア語学習の意欲も上がるってもんですよね。
って、私の場合、実はそれほどモチベーション上がっていないのですが。(^▽^;
とりあえず明日の晩のNHKイタリア語会話、忘れずに見ます。
そんなわけで、マッツァーリ君へイタリア語でファンレターを出すのはいつになるやら・・・。ハハハ。

お互い今季も引き続き苦境に立っている好きな選手&好きなチームを精一杯応援して参りましょう。
また気が向いた時に、こそこそとでも堂々とでもいいのでコメントくださいませ~。

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