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2006/01/10

六日目⑫:監督の大きな手

居残り練習をしていた選手たちが引き上げた後、スーツ姿にサングラスのマッツァーリ監督が出てきた。俊輔の出待ちをしている記者さんたち全員と笑顔で挨拶を交わしている。日本のマスコミとはとても良い関係を築いているみたいだ。あまりにもズケズケと物を言うので、イタリアのマスコミとは時々衝突しているみたいだけど。(笑)

クラブハウス前に路駐してある監督の青い車の前に小走りで駆け寄り、カルチョ2002(2005年4月号)とファンレターを手に待ち構える私。監督は私の姿が目に入ったときからずっと口元に優しい微笑みを浮かべながら静かに近づいてきた。この人は相手の緊張や警戒心を一気に解いてしまう魅力的な笑顔を持っているなぁ。朝日新聞の記事には「超まじめ」なんて書いてあったので、どんな対応をされるのかちょっと心配だったけど、監督も女性にはとことん優しい典型的なイタリア男だった。
車のところまで来た監督は「荷物を車に積んでしまうので待っていてください」(←イタリア語なので身振りから想像)と言って車のドアを開け、持っていたものを乗せてしまうと「さあ、どうぞ」という感じで両手を広げ私の目の前に立った。
監督の写真の載っているP16, 17を開いてサインペンを差し出すと、自分の写真が大きく載っているので満更でもない笑顔。人差し指でP16の右上を指して「ここですか?」と尋ねられたので「Si」と答えたのだけど、「それともこっち?」と今度はP17の右上を指す監督。えーと、どこでも監督の好きなところにしてくれればいいんだけど・・・。どっちでもいいので、また「Si」と答えたら、なんと両方に丁寧にサインしてくれた。とっても気前のいい人だ(笑)。「グラッチェ」と微笑むと、「プレーゴ」と優しい笑顔を返してくれる。ああ、幸せ♪
監督が差し出すカルチョ2002を受け取る時、危うくファンレターを落しそうになるが、落ちる寸前で監督が指の間に挟んでキャッチしてくれた。あーん、ちゃんと手渡そうと思ったのに、思いがけない形で本人の手に渡っちゃったなあ。まあ、いいか。監督は私に手紙返そうとするが、私がニコニコして受け取らないでいると、ちょっと驚いたように自分の胸を指差して“For me?”(私にですか?)と尋ねてきた。3回繰り返し尋ねてきたので、監督にとってよほど信じられない出来事だったらしい(笑)。“Yes, for you.”と頷きながら答えると、“Oh!”とサングラスの奥で目尻を下げて相好を崩す。いやあ、こんなに喜んでもらえるとは思わなかったなあ。お手紙作戦、大成功!あとは2ショット写真を撮るだけだ。

Iちゃんが構えているカメラを指して“May I?”と聞くと、監督は“Oh, photo!”と言いながら私の肩に腕を回し、いきなりギュッと抱き寄せた。おっとっと。あまりに強く抱き寄せられたので、思わずバランスを失い、監督の胸に顔半分をうずめてしまう私。その瞬間、ほのかに男性フレグランスの香りが漂ってきた。若い子がつける爽やかな柑橘系の香りじゃなくて、深みのある大人の香りだ。ヘビースモーカーなのに全然タバコ臭くないのね・・・。
監督の香りに包まれてぽーっとしていたら、頭のすぐそばから“Carry out?”という監督の声が聞こえてきた。へ?何をCarry out(実行)するの?そちらを見上げたら、監督がサングラスに手をかけて“Carry out?”と繰り返す。いや、違う。“Carry away?”(持ち去る)と言っているようだ。「サングラスを外した方がいいですか?」ってことか。この場合Take offの方が普通だと思うけど、でも言いたいことはよくわかるぞ。って、監督の英語チェックをしていないで早く返事をしなくちゃと思うのだけど、至近距離で囁かれてノックアウト状態の私は、ただただハート型の目で監督を見上げるばかり。そんなこんなで全く返事をしないでいると(監督ごめんなさい)、監督はちょっと考えてから自分の判断でサングラスを外し、カメラに向かって微笑んだ。きゃあああ、吸い込まれそうなグレーの瞳がステキ~。(全壊)
まさか途中で監督がサングラスを外すとは思っていなかったカメラマンのIちゃん。普通にシャッターを押したら「外しますか?」と聞いているところの写真になってしまい、爆笑しながら私たちのやり取りを見届けたあと、もう一度撮り直してくれた。拠って2ショット写真を2枚ゲット。わーい、わーい♪

サングラスを外しましょうか?


手に持っているのは私のファンレター♪

注)同僚H君がこの写真を見て「うひょ~、巨大乳首~!」と喜んでいたけど、下着の線が変なふうに出ちゃっただけで乳首じゃありませんから!残念!←ギター侍風
結構長いこと監督の大きな手に大事そうに抱えられたまま至福の時を過ごしたけど、もう離れなくちゃいけないのね。あーん、このままずっと抱えられていたいよぉ。無理なのはわかっているけれど・・・。
監督の顔を見上げてグラッチェと微笑むと、ちょっと首を傾げて、またステキな笑顔を返してくる。もう私は完全に腰砕け状態。
そして監督はゆっくりと私の肩から手を放すと、そのまま車に乗り込んだのだが、なんとその場で私が渡した手紙を速攻開封して読み始めた!何が書いてあるのか気になって仕方なかったらしい(爆)。この人のこういうところが、とってもチャーミングだと思う。
少し離れたところから車内の監督の様子をうかがう私たち。
「まだ読んでるよ・・・。監督、英語わかるのかなあ?」と私。
「“ダメだ、こりゃ。家に帰って辞書引かなきゃ”って考えているのかもよ」とIちゃん。
でも、これだけ時間を掛けてじっくり読んでいるということは、ある程度は内容を理解できているのかもしれない。だって全然わからなかったら、普通はすぐに手紙をしまうよね?
やがて手紙を読み終えた監督はエンジンをかけて車の向きを変え、私の前で減速するとニッコリ笑い、エレガントに手を振って去っていった。夢見心地で手を振り返す私。全てが上手く行き過ぎて放心状態。そんな私の横でIちゃんは「監督、はしゃいでいたね。よっぽど嬉しかったみたいだね」と笑っていた。

今でも私の左肩には監督の大きな手の感触がしっかりと残っている。俊輔は一年間あの大きな手に、慰められたり、気合を入れられたりしてきたんだよね。不思議な安心感を与えてくれる大きな手だった。

ああ、監督の奥さんになりたいよ・・・。←一生言ってなさい
南イタリア遠征記2005 | Comments(0) | Trackback(0)
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